生きるって大変なこと。すごいこと。

32歳で大腸がんになった私の、それでも生きる、海外奮闘記

病気の発覚

検査に行ったのは、2014年3月11日だった。奇しくも東日本大震災の日だ。

若いし何もないと思うけどねと言った医師は、大腸内視鏡検査を行った後、顔が青ざめていた。手術をする事になると思うんだよね、僕が執刀出来ればいいんだけどここ(シンガポール)ではライセンスの問題があるから、専門医を紹介します。親御さんにも相談した方がいいかもしれない。とりあえず来週再診してくださいと、その時はガンどころか腫瘍の深刻さについても触れてくれなかった。多分告知をするという義務を彼自身が負いたくなかったんだろうと思う。これについては今でもちょっと恨んでいる、この時教えてくれれば専門医に会う前に質問の準備も出来たのにと。まさか自分がガンだなんて思っていない私は、手術なんて初めてだし不安すぎると、仕事の忙しい友人達を無理やり呼び出してカッページテラスの白木屋で飲みながらグチった。お見舞い来てね、って。実際に病理検査の結果が出てからはショックすぎて、この友人たちにすら実はガンでしたー、って言えなかったのだけれど。下記が当日のFacebookのポスト。高層ビルで経験した震災も怖かったけど、2014年のこの日の不安は得体のしれないものがあった。

 

Facebook, 11th March

生きてるだけで感謝、と思うべき今日なれど、後厄のパンチに完全ノックダウン。こんな時日本だったら、とつい思ってしまう‥恋しい友人達。

 

このポストに「電話する?」とコメントしてくれた日本の友人には、この日から治療までもずっと精神的にサポートしてもらったので感謝に絶えない。私のがんと向き合う日々はここから始まった。