生きるって大変なこと。すごいこと。

32歳で大腸がんになった私の、それでも生きる、海外奮闘記

苦い思い出。日本人会。

私は日本人会が嫌いだ。個人的に関わったことはないけれど、とてつもなく苦い思い出がある。今日は日本人会館に行くのでまた思い出してしまった、あの日のことを。

 

がんの手術のため、私はAdam Roadにある病院に入院していた。英語も喋れない母を日本から呼び寄せ、ランチを食べに行くにも、言葉がわからず不安だろうに出かけていく母に何もできず、病気以外にもその部分にかなり気を揉んでいた。

入院二日目のあの日、母が半泣きで戻ってきた。ランチに外に出たら日本人会館を見つけて、ほっとして、やっと日本食が食べられると中に入ったら、会員でないからと断られたと。

会員でなければレストランが使えないルールは知っている。けれど、うちの会社は上場していてちゃんと寄付金も払っているし、会費の処理は毎回私がやっていた。娘ががんで手術を受けた直後、知らない言語に囲まれ、不安で不安で、日本人会館を見てどんなに喜んだろう母に、ランチの一つも食べさせてくれないなんて。日本人のためにならないなら、なんのための日本人会館だよ、と。

あのときの母の顔を思い出すと、今でも胸が痛む。

 

体が回復してからも、日本人会からの請求書を見るたびにいつもあの日の記憶が蘇ってイライラした。なんでこんなところに金を払うんだと。

駐在員がいなくなったので退会したから、今では商工会の用事で行くくらいだけれど、極力避けている。

忌々しい思い出・・・。