生きるって大変なこと。すごいこと。

32歳で大腸がんになった私の、それでも生きる、海外奮闘記

子宮腺筋症、入院5日目(術後2日目)

快晴の朝だ。 背中に入れていた痛み止めも昨夜外され、点滴も終了。繋がれていた各種ケーブルがなくなり、とうとう自由になった。 麻酔も安定剤もないせいで夜は痛みもあるのか寝付けなくなり一時間おきに起きてしまうようになったものの、仕方ない。これか…

子宮腺筋症、入院4日目

腸がぐるぐる動いている。 食事は45時間ぶりくらいだろうか。腸の手術をしたわけでもないのに、ずっと休んでたところに刺激を与えたせいか、胃腸が目まぐるしく動いてキリキリ痛い気すらする。久々に食べる食事は、ヨーグルトが美味しかった。重湯は一口食べ…

人生初の、男と家を一緒に捨てた日

自分で選んで決めたのに、こんなに辛い日はなかったというくらい久々に泣いた。ありえないほどの快晴の朝、大好きな家を出ていかなければならなかった。 誰に追い出されたわけでもない。でも決めたのだ、幸せになるって。幸せが何かはわかっていないけれど、…

苦い思い出。日本人会。

私は日本人会が嫌いだ。個人的に関わったことはないけれど、とてつもなく苦い思い出がある。今日は日本人会館に行くのでまた思い出してしまった、あの日のことを。 がんの手術のため、私はAdam Roadにある病院に入院していた。英語も喋れない母を日本から呼…

恋と大戸屋の話 Episode 2

【大戸屋エピソード2】定食好きなくらいで大戸屋男だなんてひどい、というエピソード1読者からのコメントがあったのだが、彼の大戸屋にかける意気込みは半端では無い。 四回目の食事(懲りずに決行)、前回のトラウマから抜け出せなかった私は、中目黒駅での待…

恋と大戸屋の話。

【大戸屋エピソード】もう2011年の出来事で時効なので話してしまおうと思うが、大戸屋男(7つ年上)と私の出会いは、打ちっぱなしで「連絡下さい」と携帯を書いた名刺を渡されたところからだった。この年になってそんなナンパはなかなか無いものだから、激し…

とりあえずの完治宣言?

冷房のきいたオフィスタワーから出て生温かい空気に触れたら、初めて涙が出てきた。母親にメッセージしたせいかもしれない、検査結果クリアだったよ、と。 火曜に検査して二三日で結果が来ると聞いていたのに、電話が来ない。何か見つかったのだろうか、でも…

五年検診

先週、大腸がん手術後五年目の検診に行ってきた。 平日にまる一日お休みをもらい、血液検査と超音波診断と内視鏡による検査を行う。海外だと再発のチェックも日本ほど頻度は高くなく、Colonoscopy(大腸内視鏡)も二年ぶり。 先生は大腸専門医でParagon medi…

MakeOver Magic - 美しい人たちとの出会い

五年経ったら病気のことを打ち明けてもいいかなと思っていたけれど、つい二ヶ月ほど前、ひょんなことからきっかけをもらった。それがMake Over Magicだ。 シンガポールでは誰もが聞いたことのあるヘアサロンShunji Matsuo。1996年からシンガポールにサロンを…

天然ボケの友人 

手術に立ち会ってくれた友人は、稀に見るすごいレベルの天然ボケ女子だ。賢いし可愛い上に天然なので癒し系女子なのだけれど、芯や思い込みが強かったりして、味もあるのでそこも大好きだ。 病気を打ち明けて治療について話している時に、 彼女「え、それは…

私の命を救ってくれた痛み

そもそもガンが発覚したのはひょんなことからだった。血便はあったものの一時的な痔だと思っていたし、がん自体は特に痛みがない。ある時期から突然お腹が痛くて眠れないほどで、検査の結果子宮筋腫が原因だった事がわかったけれど、ついでにやった大腸内視…

病気の発覚

検査に行ったのは、2014年3月11日だった。奇しくも東日本大震災の日だ。 若いし何もないと思うけどねと言った医師は、大腸内視鏡検査を行った後、顔が青ざめていた。手術をする事になると思うんだよね、僕が執刀出来ればいいんだけどここ(シンガポール)で…

病気の最中にいたあの時の、私の気持ち

いつか来る日のために書きとめておいた、あの当時の気持ち。2014年5月に書いたものを経過年数だけ追記し、そのまま記載します。 多くの人には伝えられていないし本当は話すべきでないのかもしれないけれど、ちょっとした想いがあって、この話を公表しようと…

告白します。私、キャンサーサバイバーです。

重い腰をあげて、とうとうちゃんと書くことにした。 がんと診断されたあの日から、いつか始めなきゃと思いもう四年半も立ってしまったけれど、最近神様と友人にきっかけをもらったので、きちんと形に残そうと思う。 2013年3月に告知され手術して、進行性大腸…